多文化共生フェスティバル「千曲万博2024」盛会に開催されました
- 2024/01/29
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2023年12月16日 13:00~14:30までの間、ながの東急百貨店前広場にて開催されたインターナショナルクリスマスキャロルに合わせて、外国籍児童就学支援事業=通称サンタ・プロジェクトの募金活動を行いました。
明け方の降雨が心配されたものの、午後には日も差す暖かい陽気に恵まれて盛会に開催できました。
限られたお時間でしたが、本当に多く皆さんから募金(募金総額24,555円)をお寄せいただきましたこと、この場にて厚く御礼申しげます。
いただきました募金は、趣旨に則り従来に引き続き、県下北信、東信、中信、南信の各地域にて、各小中学校や地域日本語教室にて先生方をはじめ指導者の方々のご相談や児童生徒の日本能力の検査や学習支援、日本語教室の運営支援、高校への進学ガイダンスなどに活用をさせていただいております。
これからもご支援ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
サンタ・プロジェクト事業については、以下ページもご覧いただければ幸いです。
http://www.anpie.or.jp/santa_project/index.html
今年度のサンタ・プロジェクト事業の様子は、ANPIニュース冬号にも掲載しています。
アルクマの右奥で募金を行いました
信大附属長野中では、今年度から始めた総合的な学習の時間「あさひのプロジェクト」で、生徒自らの興味・発案による29の探求活動チームを結成、目標に向かって取組み12月13日に成果発表会が開催されました。
このプロジェクトのコンセプトは、
「これからの社会を生きる私、よりよい社会の構築に向けて、
今の自分ができる実践を通して自己の生き方を見出そう」とあります。
様々なテーマがある中で、ここでは長野県国際化協会並びに長野県多文化共生相談センターの活動に関心をお寄せいただいた「26 地球人の会」の活動報告をご案内します。
この会は「異文化交流を通じて互いを理解し、偏見や差別のない地域、多文化共生社会を目指すと共に、長野市で暮らす外国人がより楽しく不便の無い生活をおくることが出来る地域にする。」を活動目標に掲げ活動を行ってきました。
6月 株式会社ネクストップ・NaGa International(多言語スクール)にてALTの先生にインタビュー
7月 芹田小学校(日本語教室)との交流(初回:自己紹介と初めての交流)
長野県多文化共生相談センターへヒアリングで「やさしい日本語」の勉強
(就学旅行時)午前:品川国際交流協会へ外国人と関わるうえで大切なことのレクチャー
午後:浅草浅草寺周辺にて外国人観光客へインタビュー
11月 午前:校内PTAバザーにてレクチャーとサンタ・プロジェクト募金活動
午後:ワールドフェスタ in 長野2023に長野県国際化協会ブースにて運営のお手伝い
12月 芹田小学校(日本語教室)との交流(2回目:記念作品作り、日本語ビンゴゲームなど)
これらの活動を通じて、外国人とのコミュニケーションを図るうえで、①伝えようとする姿勢や積極性、②相手の立場になっての話し方、③相手の伝えようとしていることを感じ取ることの大切さを学び、自ら実践で取組んだ様子が発表されました。
そしてこの発表会は、成果発表のみならず次年度に自分達の活動に興味を示し引き継いでくれる後輩へのプレゼンテーションでもありました。限られた時間の中で、後輩の生徒たちは自身の関心がある複数の発表を巡り選択を絞り込み、一方の発表する3年生は、回を重ねる毎にプレゼンのコツを掴み聴講する生徒の関心を誘っていました。
聴講者のお一人(当時の招致委員会の活動に携わった方)から、98年長野冬季オリンピック招致活動の一環で取り組んだ「一校一国運動」について言及、過去の経過から今に至っていることへ思いを寄せることも国際交流の理解を深める一助になる、これを皆さんに伝えていくことも我々の役目とおっしゃっておられました。
今も附属中の昇降口の横に当時のルクセンブルクとの交流の証となるレリーフがあります。
生徒達の活動「地球人の会」は、必ずや後輩の皆さんに引き継がれていくと思いますし、国際交流・多文化共生社会への取組みは決して特別なものではなく、各々の皆さんがそれぞれの場面で国際理解への関心を促すことから始まることを感じました。
催事の様子についてはFacebookに掲載のとおりですが、ここに至るまでの背景などについて少しでも多くの皆さんにご覧いただきければと願い掲載します。
なお掲載に当たりましては、JICA長野県OB会(小林会長)、南牧村(産業建設課 主幹 菊池さん)に監修いただきました。
1.JICAによるODA
JICA「草の根技術協力事業」から「日本NGO連携無償資金協力事業」により、環境に配慮した安全な野菜栽培の技術普及と農産物の流通改善を図るため、公益社団法人国際農業者交流協会(JAEC)が対象地域であり高原野菜の産地であるフィリピンのベンゲット州の若手農業者を技能実習生として日本に招き、高原野菜の産地として有名な長野県八ヶ岳地域の農家で技術と知識を習得し、地域の農業発展に貢献してもらうことを目的に技能実習生受入事業が開始されました。
2.政府公認、自治体、受入農家も現地赴いて支える技能実習
フィリピン農民の技術向上を図るため、高原地帯のベンゲット州から技能実習生の受入を開始。
同州との協力により選考と派遣前講習を実施し、技能実習生の配属地はやはり高原野菜の産地である長野県の八ヶ岳地域に限定しています。
一方の南牧村でも、技能実習生の受け入れの縁からフィリピンのベンゲット州ラ・トリニダット町と姉妹都市提携を行う中で、相互の人材交流を行っています。
そして技能実習生の受入については、受入農家で構成するNPO八ヶ岳環境保全型農業国際研修協会(会長:菊池辰夫さん=後述のイチゴ農家)を中心に実施しており、受入と共にフィリピンへも赴いて現地での技術指導も行っています。
3.JICA長野県OB会の支援
OB会長の小林恭介さんが、2020年8月の技能実習生の落雷事故を契機に働く彼らの姿を追うようになり、仕事柄、高原野菜の産地である川上村や南牧村を巡る中でイチゴ農家の菊池辰夫さんと知り合いました。そして一番驚いたことは技能実習生が菊池さんを「お父さん、お父さん」と呼び菊池さんも「うちの子たち」と話している姿を目の当たりにし、「実習生のためのイベント」を呼び掛け、2022年12月に第1回の「八ヶ岳ワールドもちつき祭」が開催され、今回が2回目の開催となりました。
※「絵に描いたもち」ならず「絵に描いたようなセオリー通りの技能実習」を実践
令和5年11月30日、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議において、令和4年12月から16回にわたり開催された有識者会議での議論を踏まえた最終報告書が、法務大臣に提出されました。
厳しい職場環境に置かれた技能実習生の失踪や人権侵害など、とかく技能実習制度にはネガティブなイメージが先行しがちですが、大多数の技能実習に関わる皆さんは法令等を遵守し適正に監理運営を行っておられます。
そして、今回ご紹介するこのような素晴らしい取組みが私たちの身近にあることを少しでも知っていただき、国際交流、多文化共生理解の一助となることを願ってやみません。
以下の動画もぜひご覧ください
【フィリピン・農業】わたしと故郷と「絆」たち:長野県 / フィリピン・ベンゲット
https://www.youtube.com/watch?v=zUfILav-030
JICA長野県OB会facebookに関係者の詳細が掲載されています